〜眼鏡レンズ度数と基本的要素〜
●屈折力
眼鏡レンズの屈折力(度数)はディオプトリ(dioptre)という単位で表現します。通常Dの記号を使用し、焦点距離をメートルで測定した逆数で表下ものです。たとえば、焦点距離が1メートルなら1ディオプトリとなります。焦点距離とディオプトリ−との関係は次の例のようになります。
(例)
焦点距離 ディオプトリ
2m 0.5D
1m 1D
0.5m 2D
0.25m 4D
眼鏡レンズでは球面だけから出来た球面屈折力(spherical power)Sの他に、レンズの屈折力が縦横で異なる屈折力(度数)を持った乱視レンズがあります。これはC(cylinder power)として表します。

●屈折率
光は違う物質に当たると曲がる性質を持っています。その度合を屈折率として表されます。基準となる波長は一般的にe線546.07nmで測ります。このe線を基準波長といいます。 (参考)屈折率
物質 屈折率
1.33
アルコール 1.36
角膜 1.38
サファイヤ 1.77
ダイヤモンド 2.42
レンズには屈折率によって色々な種類があります。屈折率が高くなるほど凹レンズではレンズの縁の厚さ、凸レンズでは中心の厚さが薄く出来ます。薄くなるとレンズの容積が小さくなるので重さが軽く出来ますのでスマートな仕上がりの眼鏡となります。
(参考)眼鏡レンズの屈折率
  プラスチック ガラス
普通屈折レンズ 1.50レベル 1.53レベル
中屈折レンズ 1.55レベル 1.60レベル
高屈折レンズ 1.60レベル 1.70レベル
超高屈折レンズ 1.67レベル 1.80レベル
超々高屈折レンズ 1.74レベル 1.90レベル

●アッベ数
光は波長によってそれぞれの色として感じます。人の目に感じる波長は可視光線といわれ、ほぼ400nm〜800nmの範囲がこれに相当するといわれています。短い順に紫・藍・青・緑・黄・橙・赤で、短いほど屈折率は高く、長いほど低くなります。
白色光は色々な波長を含んでいます。そのため、それをプリズムに通すと、各波長に分離して虹が出ます。これを光の分散といいます。
眼鏡レンズも実際は波長によってこのような分散があるので物体の縁に色がついたり、解像度が悪くなったりすることがあります(色収差)。この分散の程度を逆数で表したものがアッベ数です。アッベ数は小さくなるほど分散が大きいことになります。一般的に眼鏡レンズ素材の屈折率が高いほどアッベ数が小さくなる傾向があり、色収差が大きくなります。これはレンズの素材の屈折率が高くなってもアッベ数の大きいもの使うことによりよって軽減することが出来ます。


●比重
比重とは水との重さの比較です。この数値が小さいほど軽い事になります。水を1と考え、眼鏡用レンズでプラスチック普通屈折レンズ素材は比重1.31、ガラスレンズ普通屈折レンズ素材は比重2.54です。比重が小さいほど軽くなるので眼鏡レンズの素材としては良いとされますが、ガラスの場合、比重か小さいほど屈折率が低い傾向があります。しかしプラスチックでは屈折率が高くてもあまり比重は大きくなりませせん。レンズの重さを考える場合、比重と容積の関係となります。